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漢方Q &A(20)〜鼻水について〜

2023.06.30

 鼻水は、寒熱によって使用する処方が変わってきます。

 そもそも寒熱とはどう言ったことでしょう?例えば、体温が39度あるいは40度近くあっても、本人が寒気がして悪寒したり、手足が冷たいや顔面蒼白などがあれば寒証。逆に、体温は26度台で平熱でも、本人が熱感を訴え顔など全体的に赤いなどがあれば熱症と診断します。

 以下は、寒証と熱症の違いです

 鼻水の場合は、どうなるでしょう?

 鼻水が、無色透明でサラサラしているなら寒証。反対に黄色がかっていて粘稠であるなら熱症と診断します。

もちろん、処方の選択も寒熱で使い分ける必要があります。

 寒証であるならば、まずは温める薬でしょう。乾姜、附子、麻黄、桂枝などを含む薬方。例えば、小青竜湯や苓甘姜味辛夏仁湯、麻黄細辛附子湯などが挙げられます。無色透明のサラサラした鼻汁が出る場合、案外胃が冷えている場合も多いので、まずは胃を温める事を考えます。したがって、冷たい飲食物は控える事が食養的には重要です。

 熱症であるならば、やはり冷やす処方。石膏、知母、黄連、黄芩などの清熱薬を含む処方を選択します。例えば、辛夷清肺湯は薬方中にこれらの薬物を含みますので、熱症の鼻炎や副鼻腔炎に使用出来そうです。また、熱症で鼻炎が慢性に移行している場合は、荊芥連翹湯が使えそうです。荊芥連翹湯は、一貫堂医学で言うところの解毒症体質の青年期に用いる処方ですが、体格は一般的に痩せ型、色は浅黒く、皮膚は乾燥してカサカサしている者が多い。

 本日の写真は、水無月。京都では、水無月は6月30日に食べる物。夏越しの祓、つまり元気に暑い夏を過ごせます様にとの願いが込められています。

 

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