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漢方の風邪薬シリーズ

2022.11.01

前々回は、葛根湯。前回は、柴桂湯(柴胡桂枝湯)を紹介しました。

今回は、柴葛解肌湯を紹介いたします。(実際には、柴葛解肌湯は二種類ありますが、ここでは浅田家方の柴葛解肌湯を紹介します)

実は、こちらの処方は医療用には存在していませんが、某漢方薬メーカーのOTCにて入手できます。(この辺りは、薬剤師の強みでもあるが)

中身を見ますと、小柴胡湯合葛根湯去大棗人参加石膏となります。

つまり、小柴胡湯と言う風邪が進行した時期に用いる薬と葛根湯と言う風邪をひき始めた時に用いる薬をかけあわわせたものに、石膏という非常に高熱が出た時に対処する薬物が含まれています。私は、この石膏が肝であると思います。例えば、インフルエンザの様に突然病邪が身体の内部に入り込み高熱が出ると言った状況に対処出来る数少ない処方なのです。

浅田宗伯の勿誤薬室方函口訣には以下の様に書かれています

   治太陽少陽合病、頭痛、鼻乾、口渇、不眠、四肢煩疼、脈洪数者

 太陽少陽合病:ひき始めからゾクゾク感(太陽)と胃腸症状など体の中の方(少陽)にも影響がある

 口渇、不眠、四肢煩疼、脈洪数者:全て熱症状が強いことを表現しています

とあり、インフルエンザの症状に十分対処出来る内容です。

また、インフルエンザの時に麻黄湯と良く言われます。しかし、インフルエンザの場合気が付けばすでに少陽のステージに到達しているケースがほとんどです。なので、麻黄湯は使い方が限定されるので柴葛解肌湯の方が遥かに使いやすいです。

私も、柴葛解肌湯にはお世話になりました。細野診療所では風邪薬1号でした。夜中に高熱が出そうになると風邪薬1号をよくお湯に溶かして服用しました。その時に、1号をなぜか「イチゴ」と聞き間違えていて喜んだものです。

前述した様に、医療用はありません。と言うことで、どうするかと言うと葛根湯(ツムラ1番)と小柴胡湯加桔梗石膏(ツムラ109番)を合方します。これで、covid-19に罹患し高熱が出た時に対処することができます。

最後に、どうぞインフルエンザの時はお医者さんに掛からずに近くの漢方に詳しい薬局に駆け込んで下さい。一晩経つと解熱してスッキリしているはずです。

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