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漢方 Q &A (10) 〜食養と薬膳の違いって何?〜

2023.06.06

 自分自身混同してよく分からなかったので整理する意味で色々調べて書いてみます。

 そもそも、中国には医食同源あるいは薬食同源という言葉があります。これはつまり、食事を摂ることが健康に繋がり、治療の一端にもなると言う考えです。いくら、その人に合う薬をお出ししても、暴飲暴食やその時の状態に合っていない場合、治療の障害になってしまうこともあるでしょう。また、その人の状態に合う食事を続けていると治療の手助けになることは、想像に難くありません。当薬局でも、やはり食養あるいは薬膳と言うものを非常に重要視しており、日々薬膳茶の開発と商品化を目指しています。

 ところで、食養、食療、薬膳と言う言葉を聞いたことあると思います。

 食養とは、健常者向けの食事のことで、体質・季節に配慮して美肌や老化防止などを目的とした食事のこととなります。

 食療とは、病人向けの食事で、補養効果をプラスしたもので、お粥は代表的な食療となります。

 薬膳とは、食療に同じく病人向けの食事で、食療に生薬つまり薬になる物を言います。したがって、積極的に治療に寄与するものと言えます。

 次に、薬膳の基礎理論ですが、次の3つがあります

 1)五性について(薬性とも言う)

  身体を冷やす温めるの指標です。熱・温・平・涼・寒の五つです。温性と熱性の食べ物は、身体を温める痛みを止める、気血を巡らせる働きのほか、昇・浮(上昇発散)の傾向があります。涼性と寒性の食べ物は、身体を冷やすほか、解毒したり、身体を潤したり、降・沈(下降・泄痢)の傾向を持っている。熱を取り、咳を止める、精神を安定させたりします。

 2)五味(薬味ともいう)

  味のことを指します。酸・苦・甘・辛・鹹(塩からいと言う意)からなり、それぞれ意味があります。酸は、収斂するを意味しそれ以上に漏れ出ないように収める働き。苦は、降下や解毒、清熱、燥湿などの働き。甘は、補って元気をつけたり急迫症状を和らげる作用。辛は、発散や巡らせる作用働き。鹹は、硬いものを柔らかくする、瀉下作用があります。この様に味にも意味があるのは興味深いです。

 3)季節と体質

 例えば、浮腫みやすい体質の人は、梅雨の時期はさらに身体が重くなるので、豆類を沢山摂って余計な水分を排出する様にしましょうといった具合です。

 この様な考えを組み合わせながら、治療しあるいは治療の補助となるのが薬膳です。

 本日の写真は、聖光園細野診療所発刊の食養についてまとめた書物。古くは、昭和20年代の記事から抜粋しています。聖光園細野診療所は、当時から食養や薬膳に力を入れており、その流れを汲む当薬局も同じくであります。

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