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思い入れのある薬方 その1 第14話

2022.11.07

思い入れのある薬方という事で、今日は六君子湯を紹介しようと思う。

六君子湯は、良く父から飲まされていた記憶があります。どういう時にかと言うと、食欲不振の時に飲まされていました。子供の頃は、何故か食欲不振なる事が多かったですね。そして、不味くないのです。自分に合っていたのでしょう。

六君子湯は、万病回春では

 脾胃虚弱、飲食少しく思い、或いは久しく瘧痢を患い、もしくは内熱を覚え、或いは飲食化し難く、酸を作し、虚火に属するを治す。須らく炮姜を加えてその効甚だ速やかなり。

 とあり、消化機能が衰えを目標にとのことが書いてあります。

 六君子湯は、気を補う薬方として知られていますが、気とは元々生まれ持っていた気(先天の気)と生活の中で補充する気(後天の気)があります。後天の気は、呼吸から得る気と食物から得る気があり、六君子湯などの気を補う薬方は、何らかの原因により気の補充がうまく行かなくなった状態を改善する働きがあります。

  六君子湯の中身を見ますと、

 人参、白朮、甘草、伏苓(生姜、大棗はあってもなくても良し)と言う四君子湯と言う気を補う薬方に、陳皮と半夏と言う痰飲を除く薬物が加えられています。陳皮と半夏が加わることにより前々回登場した二陳湯(生姜、半夏、伏苓、陳皮、甘草)を合方した形になり、気を補うだけでなく痰飲の薬としても見る事ができます。

また、生姜が入る場合は、小半伏橘と言う悪阻の時などのむかつきを抑える薬方の意味合いも出て来て、応用が出てきます。

六君子湯に、柴胡と芍薬を加味すると柴芍六君子湯と言う薬方になります。柴胡と芍薬は、疎肝解欝に対する基本骨格ともなる組み合わせで、つまり肝気の鬱滞によるストレスや怒り、憂鬱やイライラを解消する働きがあります。五行論で言うと、肝の働きが抑制されることにより、肝と相尅関係にある脾が影響を受けると言うことになります。

ちなみにサムネイル画像は、フリッツハンセンのセブンチェアです。(4ヶ月待ちました)

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