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小麦について 第44話

2022.12.23

 小麦(生薬名はショウバクと読む)は、米およびトウモロコシとならんで世界の三大穀物の一つに数えられ、人類の主食(パン、麺類、ケーキ、ビスケットなどの主原料)として広範な地域で栽培されています。

  原産地はアフガニスタンからカスピ海の南岸地域の西アジアとされています。紀元前三千年の古代エジプトの遺跡から小麦を焼いて料理したものが発見され、人類最初の作物の一つは原始の小麦と言われています。中国へはアフガニスタンからインド、ミャンマーを経て中国に入った東方経路と、モンゴルを経て中国に入った北方経路が知られています。日本には、4〜5世紀ごろに朝鮮半島より九州北部に伝えられたとされています。

 小麦粉には主成分のデンプンのほかにグルテンという植物性のタンパク質が含まれ、このグルテンの特性により水を加えて練ると粘弾性を持ったパン生地を作ることが出来る。ちなみに、テニス世界ナンバーワンのジョコビッチ選手は、ピザ屋の息子であるにもかかわらず小麦アレルギーがあるそうで、グルテンフリーを貫いているそうす。

 ところで、肉にはパン。魚にはお米。私たち日本人は、この様に食材によって食べ分けますが、これらの食材を陰と陽で考えると、肉は魚よりも陽で、パンはお米よりも陰とされています。つまり、より陽の強い肉には陰のパンを合わせ、肉よりも陽の強くない魚は、パンよりも陰性の弱いお米を合わせることで自然とバランスが取れた食べ方をしているのです。

 小麦の薬能としては、「熱を除き、燥渇咽乾を止め小便を利す、あるいは心気を養い、心病にはこれを食うが良い」と記されています。漢方では甘麦大棗湯という処方に配合され夜泣き、ひきつけ、不眠を目標に処方されます。さらに、小麦を水に入れて水面に浮いたものは浮小麦といい、漢方では安神・清虚熱・止汗・止渇の効能があり、ヒステリーや煩熱、糖尿病、下痢、自汗、寝汗に用いる。

 小麦粉と麩を主原料にし、青蒿(カワラニンジン)、蒼耳(オナモミ)、ラッキョウ、赤小豆{アズキ}、杏仁(アンズの種子)の粉末を混合し、醗酵させたものを神麹と言い、健胃や消化促進の目的で漢方薬に処方されます。その他。漢方では、内外傷弁惑論の清署益気湯という、特にお年寄りの慢性疲労に使用する漢方薬に配合されています。

 本日の写真も飼い猫のティアラ。今日、点滴のために動物病院に行ったそうですが、体重が2.8kgにまで回復したそう。体重一番落ちた時で、2kgジャスト位だったので全快はそろそろか。

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