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エキス剤の開発と製剤化 第23話

2022.11.21

細野史郎の業績は沢山あるのですが、この世で初めて漢方エキス剤の開発そして製剤化に成功したこともその一つでしょう。

現在でこそ、漢方薬と言えば「あの粉薬(実際には顆粒状ですが)」と連想されますが、漢方エキス剤が主流になる前は、煎じ薬や丸剤が中心でした。それを煎じる手間や携帯性の向上を目的に開発したのです。それは1950年のことでありました。そして、構想中に、東洋医学会にて並いるお偉い先生方にエキス剤の構想を打ち明けましたが、懐疑的で全く相手にされなかったと聞きます。しかし、細野史郎はブレることが無く製剤化を実現しました。

その後、自家製のエキス製剤として細野診療所内でのみ患者さんに提供されてきました。

漢方エキス剤の開発は、漢方業界にとっても大きな意味を持ちました。それを基に、漢方薬が保険薬の薬価収載に掲載される基になったからです。つまり、世に大きく漢方薬というものが認知される様になったのです。

また、細野史郎は米兵が日本に持ち込んだインスタントコーヒーをヒントに漢方エキス剤を思い付いたそうです。その当時、誰も考えつかないことをサラッとやってのける。天才的な所があります。

本日の写真は、自宅でポットにて育てている三島柴胡。花期は、8月下旬から9月にかけて。セリ科に属し、薬用部位は根。独特な芳香と苦味がある。元々、静岡県の三島地方にて産出されていたのでこの名があり、中国の柴胡とは原植物が異なります。三島柴胡の方が佳品とされ、近頃では中国にて三島柴胡の種から育てて収穫しています。

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