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しもやけについて  第39話

2022.12.16

 年の瀬を迎えいよいよ寒さが厳しくなって来ました。いかがお過ごしでしょうか?

 寒さが厳しくなって来るとしもやけになる人が増えて来ますね。西洋医学では、ユベラ(ビタミンE)の内服や軟膏となるのでしょう。

 そして、どの様な病態かと言いますとやはり末端の血流障害という事になります。漢方で言うところの瘀血と言う状態です。しかし、ここで重要なのは瘀血だと誰でもしもやけになるのかと言えばそうではなく、寒冷の刺激に対して反応する人が、しもやけになるのだと考えられます。

 したがって、寒冷の刺激に対して末梢の血流改善と冷え切った身体を改善して温める方向に導く必要があります。代表的な薬方に当帰四逆加呉茱萸生姜湯(細野流では、当帰四逆加呉茱萸生姜黄蓍湯;黄耆が入る理由に関しては第20話参照のこと)があります。当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、散寒剤に分類され冷えが原因の諸症状に用いられます。

 傷寒論の条文を見て行きましょう

   手足厥寒、脈細欲絶者、当帰回逆湯主之。若其人内有久寒者、宜当帰回逆加呉茱萸生姜湯

     (回逆湯=四逆湯)

 つまり、「手足が冷えて体の中の方も久しく冷える者は、当帰四逆加呉茱萸生姜湯が良いですよ」と言う様なことが書いてあります。

 処方の中身を見て行きますと、細辛・桂枝・当帰・芍薬・甘草・大棗・木通・呉茱萸・生姜の9味からなります。当帰四逆加呉茱萸生姜湯だけでもしもやけに非常に効くのですが、実は瘀血に対する薬物が当帰と芍薬ぐらいしか入っていません。ここは、桂枝茯苓丸や芎帰調血飲などとの合方する事によって解消することが出来ます。

 瘀血が絡んでいるからと言って、これらの駆瘀血剤だけでは改善しないところが難しいところです。

 本日の写真は、賄いランチから。薬局の冷蔵庫にスダチが二つ残っている。鯖の臭み消しとしても二つにしては足りないよなぁと思っていたが、そこは漢方屋。ウィキョウつまりフェンネルを使ってみようと言う事で、唐辛子抜きのアーリオオーリオサバ缶パスタ。

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