本日は、11月22日。大阪の道修町にて毎年11月22日から23日にかけて神農祭が行われます。神農祭は、どういうお祭りかと言いますと
以下、少彦名神社のHPより抜粋
「大坂でコレラが流行した際に薬種仲間が病除けの薬として「虎頭殺鬼雄黄圓」(ことうさっきうおうえん)という丸薬を作り、「神虎」(張子の虎)の御守と一緒に神前祈願の後施与したことに由来するお祭です。五葉笹に張り子の虎と少彦名神社の御札をつけた張子の虎を家内安全無病息災の御守として授与します。」
とあります。
次に、少彦名神社に祀られている神農について説明しましょう。
神農は、中国古代の伝説上の帝王の一人で、牛の頭をしていて角があり、木の葉で作った衣装を纏い、人民にはじめて農耕というものを教えたとされています。また、草木を採集しその効用や毒性を一つ一つ検査し確定しました。もちろん神話化した話ではありますが。
神農は、農耕・医療・商業の神として祀られています。大阪道修町の少彦名神社での神農祭の他に、東京は御茶ノ水駅近くの湯島聖堂内に神農を祀った廟があり、同じく勤労感謝の日に神農祭が行われている。京都も二条通の薬祖神社に神農が祀られており、こちらは11月の第一金曜日に神農祭が行われている。
神農に名を託した書物に、神農本草経(1〜2世紀)と言う古典がある。一年に日数に合わせた365種の薬物が収載されていて、上品・中品・下品の三つのランクに分けられる。詳細は以下の通りとなる
上品は120種ある。生命を養う目的の薬で、毒性が無い。したがって、長期服用しても良い。不老長寿の作用がある
中品は120種ある。体力を養う目的の薬で、使い方次第で無毒にも有毒にもなる。服用にあたっては注意が必要だが、病気を予防し身体を強くする作用がある。
下品は125種ある。病気の治療薬となる。有毒であるから長期使用をしてはならない。
この様に、薬物の使い方や薬効に関しての世界で初めての書物が神農本草経であるが、時代は飛んで16世紀末の本草綱目と言う書物になると、1892種類の薬物が収載されている。
本日の写真は、神虎二種類。写真向かって左が大阪の張子の虎。首から先が動きます。
右が京都の神虎。こちらは、清水焼だそうである。ずっしりと重みがある。