ドライアイと漢方という事ですが、基本的には前回の「目のかすみと漢方」と同じ対処法でいいと思います。
キーワードは血虚あるいは陰虚にあると思うので、杞菊地黄丸、滋腎明目湯、洗肝明目湯いずれも試す価値があると思います。すなわち乾燥状態に対する処方をもって治療します。血虚と言うと四物湯(当帰、芍薬、川芎、地黄)にて対処しますので、四物湯ベースの薬を選択します(杞菊地黄丸は違いますが)。したがって、この様なことはあまりないかも知れませんが、芎帰膠艾湯や疎経活血湯など眼科領域で使用頻度が高くない薬方でも、試してみると卓効する事があるかも知れません。
また、ドライアイでこれは使えそうだと思うのは、麦門冬湯です。麦門冬、人参、粳米(うるち米)と言った潤す働きのある薬物が多数含まれています。麦門冬湯は、下気降逆と言って気を下に引き下げる作用を持っているので、上半身及び頭部の訴えに向いていると思います。空咳の薬として使いやすい薬ですね。
もう一つ、麦門冬飲子と言う薬方あります。医療用にも薬局製剤にもないと思いますが、なかなか使えそうです。人参、麦門冬、天花粉、知母、地黄と潤したり渇きを解く薬物が入っています。麦門冬湯、麦門冬飲子ともにシェーグレン症候群なんかにも使えそうです。
最後に、潤したり渇きを癒す食材の紹介です。夏が旬のキュウリ・トマト・すいか・メロン・なす・ズッキーニは渇きを潤しますし、ニンジン・ほうれん草・牡蠣・豚肉・レバーなどは体内の血や水を補います。ご参考までに。
本日の写真は、目の投稿が続いているので目に良い健康食品の紹介。ひとみにルイテインです。目に元々存在している成分で、加齢とともに減少していく様です。したがって、減少していくと加齢性黄斑変性、白内障に繋がり、それらの予防もしくは進行抑制、そしてコントラストの改善に繋がります。