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漢方のものさし(陰と陽について)  第34話

2022.12.07

 今日は、漢方のものさしを紹介しましょう。何のことかさっぱり分からないと思いますが、要するに処方決定に至るまでの判断基準となるもののことを言います。(処方決定に至るまでのプロセスが、漢方と中医とは異なるのでここでは漢方に関しての話となります)

 そして、全くデータや検査結果を重視する西洋医学とは大きく異なり、この事が東洋医学の場合は同じ薬であっても異なる疾患に使用することもあり得るわけです。例えば、葛根湯は風邪の初期に使用する薬方ですが、肩やうなじの凝りそれに伴う頭痛にも使用されrます。

 漢方では、陰と陽・虚と実・寒と熱・表と裏といった八綱弁証による診断を下します。

  陰陽論は、全世界に存在する万物を陰と陽に分け、対立する関係であると考える古代中国の思想です。例えば、1日のうちでも昼間は陽ですが、夜は陰です。そして、単に対立するものではなく、一定のリズムで入れ替わります。身体も陰と陽に分けられ、五臓は陰で六腑は陽に。腹側は陰で背中は陽。さらに、子供の頃は陽が旺盛で年齢を重ねるにつれて陰に傾いていきます。

 その他、例を挙げると

中心部体表部
消極的積極的
太陽
大地天空
湿

この様になります。

 では、実際にはどの様に活かしているのでしょう?

 漢方では、病気に対して反応する力が衰えている状態を「陰証」、病気に対して激しく抵抗している状態を「陽症」とします。急性の熱性病を例に取ると

 陰証とは自覚症状として熱感がなく、病人は静かに横たわり、手足も冷たいと言った状態で、病気に対する抵抗力が衰えた予後不良の状態を指しています。

 陽症は自覚症状として熱を感じ、症状は激しく、検査すると白血球の増加、体温が上昇し、新陳代謝が盛んで、治癒力が高まり、生体が病気に対して激しく抵抗している時期を指します。

 ここで肝心なことは、陰と陽は一定のバランスを取っているのではなく、陰が陽になったり陽が陰になったりすることです。

 次に、陰証と陽症の関係は

陽証陰証
暑がりで、薄着を好む寒がりで、厚着を好む
寒冷刺激を好む温熱刺激を好む
冷たい飲み物を好んで多飲する熱い飲み物を好む
顔面が紅潮顔面が蒼白
高体温傾向低体温傾向
舌色が紅・舌苔が乾燥舌色が淡白・舌苔が湿潤
便臭が強い便臭が弱い
肛門の灼熱感を伴う下痢肛門の灼熱感を伴わない下痢
尿の色が濃い薄い色の尿が頻回に出る

の様に、陰証は寒と陽症は熱に関係が深いと考えられます。

 また、傷寒論では陽症は、太陽病、陽明病、少陽病に当たる治療を行います。太陽病と陽明病は発汗させたり瀉下させたりやや攻めの治療を行います。少陽病では病邪を和解させる治療を行います。対する陰証は太陰病、少陰病、厥陰病に当たる治療を行います。無理に発汗させたり瀉下させたりすると反って悪化するので、補う治療を行います。また、冷えを伴うことも多いので温めることも重要になります。

 さらに、少しここからは難しい概念ですが、人体の構成成分である、気・血・津液(水)・精のうち、気は陽に属し陽気という。それに対して気以外の血・津液(水)・精は、陰に属し陰液と総称されます。相対的に陽気と陰液が平衡な状態であれば、健康と判断しますが、何らかの原因により平衡状態が壊れると病気と判断します。陰液と陽気が不足している場合は「虚証」と表現し、陰液が不足すれば陰虚・血虚。陽気が不足すれば気虚・陽虚と表現します。

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