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漢方のものさし(表と裏について)第37話

2022.12.12

 漢方のものさしと言う題名で、4話目になります。表と裏と言うことですが、専門家や漢方オタクでもない限り、何のこっちゃとなりそうですね。

 表と裏とは、病邪(病気の原因となるもの)が存在する位置であり、それが表位にあれば表証。裏位にあれば裏証と言うことになる。つまり、皮膚・筋肉・関節・神経などの身体の表面に近い部分を「表」。内臓系などの身体の表面よりも深い部分のことを「裏」。肺や肝などの横隔膜周囲の臓器を「半表半裏」と言う。

それでも、何のこっちゃ分からないと言う方おられると思います。例えば、風邪の場合、病邪が表位から裏位に向かって侵入してくると考える。つまり、邪が表位にあれば葛根湯などの発散する処方。邪が裏位にあれば大承気湯などの高熱に対応する処方。邪が半表半裏にあれば小柴胡湯の様に補いながら解熱する処方を用いる。

 表と裏に関して、この様なたとえ話があります。泥棒が玄関から家の中へ入りかけている時は、大きな声を出して追い出す方がよい                           ・・・・・・・・表証の場合

奥へ入って裏口近くまで行っていたら、これまた裏口より追い出すがよい   

                            ・・・・・・・・裏証の場合

しかし、家の中にいる時は、うっかり騒ぐと居直ってどんな乱暴なまねをするかも分からないので危険である。この場合はうまく言い聞かせるなり、なにがしかの金を与えてなだめすかせて、穏やかに帰らすのがよい                   ・・・・・・・・半表半裏の場合

 それでは、実際に表証の場合はどの様な薬方を使うのでしょう。表証の場合は、風邪(傷寒)の初期を表し、発汗させることにより病邪を外に追い出す治療が行われる。代表的な薬方に葛根湯、麻黄湯、桂枝湯などがある。ゾクゾクした悪寒を伴うことが多い。

 裏証の場合は、臓腑に熱があり非常に高熱が出て、その結果大便が硬くなる。その為、治療法は瀉下させることにより病邪を外に排泄させる。代表的な薬方に大承気湯、小承気湯、調胃承気湯、白虎湯などがある。

 半表半裏の場合は、和解させる治療法となる。柴胡桂枝湯、柴胡桂枝乾姜湯、小柴胡湯などの薬方がある。症状としては、咳などの呼吸器症状の他に、みぞおちが痞えたり(胸脇苦満)、口が苦く感じたり、嘔気があったりの消化器症状。また、往来寒熱と言って、朝は熱が無いのに夕方になって出てくるなどの症状が見られる。

 本日の写真は、昨日食べたランプレドット。ギアラとも言うが要するに牛の第四の胃をセロリ、玉ねぎ、人参で長時間煮込んだもの。上に載っている緑の物は、サルサヴェルデと言ってニンニク、イタリアンパセリ、唐辛子、オリーブオイルでミキサーにかけたもので、ランブレドットには欠かせない。

 

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