漢方薬も薬ですが、西洋薬と何が決定的に違うかと言うと、西洋薬は単一の成分で出来ていることが多いですが、漢方薬は複数の生薬からなっているために限りなく無限に近い成分からなっています。その多数の成分が副作用が少ない要因ではないかと思います。Aと言う成分に作用が突出しているとBという成分がそれを打ち消してマイルドなものにしているという考えです。
そして、ご存じの様に、漢方薬の原料である生薬は主に植物の根や根茎。樹皮や葉を煎じた物です。言うなれば野菜スープの様なものと言えます。極端な言い方をすれば食事の延長ということも出来ます。と言えば身近な存在と思えますよね。さらに、生薬や食材一つ一つに味(酸苦甘辛鹹)と性質(大熱から大寒まで)があり、それが薬の性質を決定することがあります。例えば、大建中湯は、乾姜(生姜を蒸して乾燥したもの)と蜀椒(山椒の実)と膠飴(麦芽が主成分の飴)と人参の4味ですが、乾姜と蜀椒は非常に温める力が強い薬です。大建中湯は、金匱要略に「心胸中大寒痛、嘔不能飲食、腹中寒、上沖皮起、出見有頭足、上下痛而不可触近、大建中湯主之」とあり体の中の方が冷えている時に適合する薬です。
また、身体が冷えているのか熱が過剰に存在するのかを見極めるのは非常に重要で、温める薬か冷やす薬かの判断を誤ると、副作用以前の問題であるので、見極めは非常に重要である。
※もちろん、全ての薬が寒と熱に分けられるわけではありません