漢方業界にいると良く人から聞かれます。「二日酔いに効く漢方ある?」同業者の皆さんも同様な見解お持ちでしょう。
私が思うに、二日酔いに効く=二日酔いの症状を緩和することにあります。二日酔いと言うと頭が痛かったり、ムカムカしたりなどの不快な症状が挙げられます。
それでは、それらの症状を来す原因はと言うと、アルコールと言う水分の過剰摂取とアルコールが体内で熱を発生することにあると思います。そのためには、体内に溜まった水を排泄したり熱を冷ましたりする必要があります。また、肝臓の機能を高めて二日酔いになりにくくする必要もあるでしょう。
以上、3つの切り口で二日酔いの漢方見てみようと思います(そのうちの一つは健康食品ですが)
一つ目は、過剰な水分です。その水分が、頭部にあれば頭痛やふらつきがありますし、胃にあればムカムカすると炒った具合です。漢方では、水の体内での偏在することを水毒あるいは水滞と言います。その様な時に使用出来る漢方薬に五苓散があります。五苓散は、沢瀉・豬苓・茯苓・白朮・桂枝の5味からなり、水分の代謝に関係する4つの生薬と桂枝(通陽作用;気の巡りを良くして水を動かす)と言う構成です。
二つ目は、アルコールを飲むことによる熱の発生です。熱によって、口の渇きやのぼせ、頭痛などが起こることがあります。この様な時によく使用される漢方薬に黄連解毒湯があります。黄連・黄芩・黄柏・山梔子の4味からなります。そして、これら4つの生薬は全て薬味薬性が苦寒、つまり苦い味で冷やす働きがあります。さらに注目は、前回のブログでも出て来ましたが、苦い味は燥湿作用を表すと言うことです。つまり、アルコールで湿まみれになった身体を乾かす事が期待できます。また、葛の花も胃の熱を取るので二日酔い予防になります。なぜか、ダイエット目的で世に広まっていますが。
三つ目は、肝臓の機能の強化です。以前紹介した三七人参は、健康食品ですが、生活習慣病にも良いですし、肝機能を強化し肝臓の数値の安定化から二日酔いの予防を期待出来ます。また、当店にはカツオの肝臓エキスが主成分のレバコールやミラグレーンと言った医薬品も巷では非常に人気があります。
本日の写真は、ミラグレーンのポスター。SNSで話題になり、売り切れ続出で出荷調整がかかっていましたが、最近になって当店にも入荷して来ました。