子供の頃に良く飲まされていた薬というとやはり小建中湯だろう。
まず、小建中湯の中身を見てみると
桂枝、芍薬、甘草、生姜、大棗、膠飴 の6味からなる
桂枝、芍薬、甘草、生姜、大棗は桂枝加芍薬湯という薬で、芍薬以外は食材にもなりしかも癖のない生薬ばかりである。そして、膠飴とは「うるち米や餅米を蒸した後に、麦芽のアミラーゼを用いて糖化して飴にした物」です。結局、アメちゃんなんですね。だから、子供にとってはとても飲みやすい薬なんです。証はどうあれ、子供にはまずこれを飲んでもらうのが漢方薬に慣れるためには良いかもしれないですね。
さて、古典書の金匱要略には以下のようにあります。
虚労裏急、悸、衂、腹中痛、夢失精、四肢煩疼、手足煩熱、咽乾口燥、小建中湯主之。
この条文で肝は、虚労です。疲れ切って、腹が突っ張って動悸がして鼻血が出て以下云々、、、、といった症状が出てくる時に、小建中湯をやりなさいと言った事が書いてあります。
これを拡大解釈して応用したのが、小児の体質改善だと思うのです。小児虚弱体質、小児夜尿症、慢性胃腸炎、夜泣き、神経質、疲労倦怠などに応用されます。
では、なぜ膠飴というアメちゃんが入っているかですが、気を補う作用が強く脾と肺に入り補う働きがあります。大人でも、疲れた時にチョコレートなど甘いものが欲しくなる。それと同じ理屈です。そして、もちろん小建中湯は大人でも、とても疲労した人を目的にお腹が痛い場合に使えます。
ちなみに、自分が小建中湯を服用していた理由は夜尿症でした。何故か、これを服用した夜はオネショしなかったので、子供ながらに不思議だと思っていたものです。
本日のサムネイル画像は、永観堂脇のドウダンツツジである。夕陽に照らされるとこの上なく美しい。