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葛根加半夏湯(葛根湯加半夏)について  第18話

2022.11.14

細野においてのみ製剤化されている薬方という事で、第1回目は葛根加半夏湯を紹介します。つまり、みなさんよくご存知の葛根湯に半夏を加味した処方です。細野では、風邪薬2号として葛根湯でなくこちらを使用しています。細野史郎が、思いついた薬方ではなく、傷寒論にもちゃんと載っているのである

  太陽与陽明合病、不下利、但嘔者、葛根加半夏湯主之

とあり、太陽病と陽明病の合病で下痢なく嘔気がある者は、葛根加半夏湯が良いですよ なんて事が書いてあります。ここで肝心なのは半夏の薬能だという事です。葛根湯の他の条文にはどこにも嘔気のことは触れていませんが、葛根湯に半夏を加えた葛根加半夏湯には嘔気の事が触れられている。という事は、半夏は嘔気に使用されることが分かりますね。(また、葛根湯中の生姜と半夏の組み合わせは、小半夏湯と言う悪阻の時に使用する薬方を含有する事になります)

そして、なぜ2号と言う名が付いたかというと。エピソードがあります。

細野史郎が東京診療所にて診察していた時代ですが、芸妓さんが反吐を吐いている人に葛根加半夏湯を渡していたらしくて、それが悉くとても聞いていたそうです。そこで、細野史郎はなぜか2号さんを思いつき、葛根加半夏湯を2号にしたとの話です。

細野史郎は、天才的ばかりでなくユニークな一面を持ち合わせていたことがよく分かります。

本日のサムネイルは、煎じパックです。当店では、この様にしてお客様に提供しています。ご自宅で煎じる手間が省け、匂いが充満する事もありません。

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