一番有名である漢方薬と言えば、葛根湯でしょう。何でもかんでも葛根湯を出す医者の事を葛根湯医者と言うらしいが、実はある意味では間違いではない。風邪には、葛根湯とよく言われるが、実はそれだけでなく肩こり、乳腺炎、皮膚病、二日酔い予防、副鼻腔炎など多岐にわたる。
しかし、葛根湯を使うには条件がある。
大昔の漢方の古典である傷寒論には、以下の様に書かれています。
太陽病、後背強几几、無汗悪風、葛根湯主之
つまり、「風邪の引き始めに、うなじが強張り、汗が出ていなく風に触れただけでゾクゾクする状態は、葛根湯が良いですよ」とのことが書いてあります。(これら全ての状態が絶対に必要ではない)この様な時に葛根湯の適用となるわけです。
それでは、葛根湯に合わないとはどういう事でしょう?
葛根湯の生薬を見て見ますと、次の通りとなります。
桂枝、芍薬、甘草、生姜、大棗、葛根、麻黄
の7味からなります。これらの生薬は食材になるものが多く、芍薬と麻黄以外は全て食べられるものです。その中で、麻黄が曲者なのです。麻黄は桂枝と組んで発汗作用を強めるのですが、連用することにより食欲不振や動悸が見られると言う方も沢山おられます。つまり、もともと胃が弱い方や汗が飲もうとしている時にすでに出ている方には不向きなのです。その辺りを理解していないと葛根湯医者と言われるわけで、理解して使っていると流石やなぁとなるわけです。