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漢方Q &A(12)〜目の出血と漢方〜

2023.06.09

 目は機能を失いたくない大切な器官の一つですが、目の充血を含む出血は比較的よく見られる症状で、原因不明なことも多く放置していても問題ないこともあるのですが、当の本人にとっては気になる症状でしょう。

 まずは、出血を止めることが先決でしょう。やはり、ここは三七人参が良いと思います。三七人参をベースに他の漢方薬を組み合わせると言うことです。三七人参は、肝臓に働きかけ肝機能を正常にします。そして、肝(実際には、肝臓と肝は意味合いが少し異なる部分あり)は目を支配するので、肝の失調が目に悪影響を及ぼします。そして、三七人参は出血を止める働きがあるので、眼底出血含む目の出血に特に効果があると思います。

 次に、漢方薬ですがまず必ずファーストチョイスに上がりそうなのは、黄連解毒湯でしょう。黄連・黄芩・黄柏・山梔子といった4味からなる漢方薬ですが、全て苦と寒の生薬で占められています。つまり消炎解毒の作用があると言う事になります。ただし、実証向きの薬方なので万人向けではありません。

 温清飲は、黄連解毒湯と四物湯の合方で、黄連解毒湯の証に血虚(皮膚や粘膜の枯燥、色艶がないなどが見られる)がある人に合うでしょう。ただ、黄連解毒湯の4味に比べてこちらは8味になるので、やや即効性にかけるかもしれません。

 次に、三黄瀉心湯も止血に使用されます。こちらは、黄連・黄芩・大黄と3味。全て、苦寒なので消炎解毒作用を示します。こちらも、実証向けなので万人に向くわけではありません。

 もう一つの選択肢は、芎帰膠艾湯と言う薬方です。この薬方は、不整性器出血や切迫流産や痔によく使用されますが、血虚の主役である四物湯に止血作用のある阿膠、艾葉と甘草を加味した処方です。こちらは、虚証向きの薬となります。

 止血をターゲットに書いてみましたが、瘀血が絡んでいれば瘀血に対する処方、水毒が絡んでいれば水毒に対する処方を単独あるいは合方にして使用する必要があります。

 本日の写真は、こんにゃく。普段口にしているこんにゃくからは想像出来ないですね。

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