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漢方Q &A その4 〜頭痛と漢方〜

2023.05.29

 頭痛の原因にも色々あり、それによって使用する薬方も変わってきます。

 ただし、我慢出来ない激しい頭痛は、重大な病気を抱えている可能性もありますし、薬局にて対応できるレベルを越えていますので、しかるべき医療機関にかかってください。

 まず、一つ目ですが、低気圧が来る前に頭痛を来す場合があります。灰元らは、比較的急激な気圧の低下時に発症する頭痛は、五苓散によって軽快すると1998年の論文にて明らかにした。有効群は無効群に比べて、16倍多いという結論に達しました。五苓散は、水毒の代表的な薬方として知られています。水毒とは体内の水液が局所に偏在することを言い、この様な病態には五苓散が効きます。

 二つ目は、冷えた人の頭痛です。特に、裏寒つまり胃腸冷えのある人です。どこで、胃腸冷えを見るかですが、お腹を壊しているとかではありません(それもあるかもしれないが)。裏寒の人の特徴として薄い唾が多量に出る(喜唾と言う)や涎が出るとか、尿も無色で量が多いとかのサインがあります。プラス嘔気があれば呉茱萸湯という薬方あるのですが、非常によく効きます。ただ、呉茱萸湯は証に合っていれば飲みやすいのですが、合っていなければ苦くて辛くてとても飲みにくい薬方です。今まで、飲んでいたのが飲みづらくなってきたら、証が変わって来たサインでもあり、適応症でないということになります。

 また、同じ裏寒がある人には、桂枝人参湯という薬方があります。人参湯という裏寒の薬に、急迫症状を治す甘草を増量し表証を治す桂枝を加えた薬方です。気の上衝によるのぼせがあれば、桂枝人参湯の方が良いでしょう。嘔気もあまり見られません。

 三つ目は、風邪を引いた時などに、頸から後頭部が痛む場合。特に風邪の初期ですが、葛根湯が良いでしょう。風邪の初期には、足の太陽膀胱経(という経絡。経絡とは、ツボとツボを繋いだ線)に沿って強張りが見られることが多く、後頭部痛もその一環と思われます。したがって、風邪の初期でなくても構わないですが、肩が凝ったり後頭部が痛む場合は、葛根湯でいいでしょう。

 四つ目も、風邪引いた時に頭痛を伴うときは、川芎茶調散という薬方もあります。さらに頭部の巡りを良くする川芎が入っていたり、目に良い茶葉が入っていたり、羗活や防風や細辛と言った痛み止めの薬が入っていたりします。川芎茶調散は、頭痛だけでなく鼻詰まり何かにも良いでしょう。

 最後の五つ目は、三叉神経痛を伴う頭痛です。清上蠲痛湯という薬方があります。寿世保元という古典には、「一切の頭痛を治する主方。左右、偏正、新久を問わず皆効あり」とあり、証を考えずに使ってみても一定の効果を期待することが出来る。目がチカチカする、目の奥が痛むなど目から来る頭痛に特に良く効くでしょう。

 この様に、頭痛の原因も様々であり、漢方で治すことも十分可能ですが、いつもと違う頭痛や症状が酷い場合は、然るべき医療機関を受診して下さい。

 今日の写真は、蜂の巣ことトリッパ。牛の第二の胃です。500グラムあります。昨日、ソフリットとトマトで煮込んだのですが、4人でこの量多すぎました。中々のもんです。

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