薄毛と脱毛という事ですが、東洋医学的に見て様々な要素あるいはそれらの複合型が原因であると思います。主な原因は、2つから4つ程度あります。
1)まず一つ目は、腎虛です。腎は、成長老化を司ります。親から受け継いだ生命エネルギーは腎に蔵される。これを「腎は精を蔵す」と言う。腎精は、幼年期から徐々に充実し、思春期に最も旺盛になり、老化に伴い少しずつ衰退する。そして、腎の裏は膀胱であり、腎の弱りにすなわち腎虛が原因で尿もれやおしっこのキレが悪くなるなどの症状が出てきます。また、腎は「骨を主り、髄を生ず」、「耳に開竅しその華は髪にある」と言われ、毛髪は老化とも深い関係にあると言えます。
治療は、老化は早かれ遅かれ必ずやって来るので、出来るだけ進行を行うことが肝心です。馴染みのある薬方ですと八味地黄丸が挙げられます。また、腎を強化する黒い色の食材を意識して多く摂取することです。黒い食材以外では、ヤマノイモや海老は腎精を補う働きがあります。
2)もう一つの主たる原因は、血虚にあると思われます。血(けつと読む)は、全身を栄養滋潤する働きがあります。即ち、血が不足することにより毛髪に栄養が行き届かなくなり、脱毛するという考えです。血虚の他の症状を紹介しましょう
・顔色が悪い、皮膚が乾燥して荒れる
・爪の変形や異常。手足のあかぎれ
・集中力の低下、眼精疲労や耳鳴り
・めまいや立ちくらみ、あくび
・筋肉痙攣やこむら返りを起こす
・月経不順や過少月経
など。ただし、他の原因で上記症状が見られる場合もありますので、専門家に相談なさってください。
血虚の治療は、四物湯ベースの処方を考えます。場合によっては、当帰芍薬散でもいいでしょう。温清飲でもいい場合あるかもしれません。当店には、レバコールがございます。カフェイン入りのレバコールαとカフェインなしのレバコールSがあります。漢方薬との併用が効果的です。また、食材としては肉類やニンジンは血を補います。
3)あと、脱毛となるとストレスが絡む位場合もあるでしょう。東洋医学では、気滞と言い気の滞りが原因と見ます。肝は、気の疎泄作用流れを司ります。また肝は木と深い関係があります。木は、伸び伸びと何者にも邪魔をされずに成長することを好みます。したがって、肝も伸び伸びとストレスのない環境を好みます。
治療は、柴胡と芍薬あるいは柴胡と黄芩の柴胡剤を使用します。沢山ありますが、円形脱毛症によく使用される柴胡加竜骨牡蛎湯もその一つです。私の大好きな柴胡桂枝湯でも良いかもしれません。食材としては、香りの良いものを積極的に取り入れたいところです。スパイスカレーやハーブ類が良いです。中でも、盛りだくさんのスパイスやミントを使用するビリヤニ(世界三代炊き込みご飯と言われる)は典型例です。また、酸は肝と親和性があるので、酸っぱい味を取り入れるのも気の流れをよくする意味では良いでしょう。
写真は、娘から送られてきたブタペストの写真。来月帰国するのですが、現在フランスにて留学中です。勉強に旅に就活に忙しい様ですが、今回の旅行で35カ国訪問することになるそう。若いってやっぱり良いなぁ。行動力が違いすぎる。