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葛根湯加川芎辛夷について   第50話

2023.01.10

 今回は、記念すべき第50話。ついにと言うかやっとと言うべきか、「軽く通過点だよ」と言ってみたいが、文才に乏しい自分にはやはりやっと50かと言う感が強い。

 さて、記念すべき第50話の話だが、葛根湯加川芎辛夷および柴葛湯加川芎辛夷について触れてみたいと思う。今まさに自分が飲んでおくべき薬方なんであるが(コロナ感染後、なかなか酒を控えられず鼻症状が悪化し軽い蓄膿症状に移行)

 葛根湯加川芎辛夷であるが、まさに葛根湯に川芎と辛夷を加味した処方である。川芎は、本来は血を巡らせる働きがあり、特に首から上の疾患によく用いられる。辛夷は、香りを嗅いでいただくと分かるが素晴らしい芳香があり、鼻詰まりを目標に使用される。それにしても葛根湯という薬方は、風邪の初期に用いられるが、鼻症状が見られるのは大抵風邪が進行した時期であるので、葛根湯と川芎辛夷を組み合わせることを考えついた人は天才に違いない。

 葛根湯加川芎辛夷は、実は日本生まれの薬方で(日本生まれの処方を本朝経験方と言うが)、効けばめっけもんの精神。やはり日本人が考えついた処方だと思う。ちなみに、日本生まれの薬方を他に紹介してみると、痔専門の「乙字湯」や骨折打撲の「治打撲一方」、華岡青洲の「十味敗毒散」や「紫雲膏」などなかなか骨太の薬方が並ぶ。

 しかし、細野では葛根湯加川芎辛夷はあまり使用されておらず、小柴胡湯との合方の柴葛湯加川芎辛夷の方が一般的です。少陽病期の鼻症状だと遥かに柴葛湯加川芎辛夷の方が適合するので、葛根湯加川芎辛夷は蓄膿症や副鼻腔炎の初期に使用するケースが多い様です。ところが、以前自分が風邪をこじらせて鼻症状に陥った時に実際に効いた感じがするのは、柴葛湯加川芎辛夷でなく葛根湯加川芎辛夷の方なので全くよく分からない。

 と言うよく掴みどころのない薬方であるが、これから花粉症の季節、鼻詰まりの時に、最も活用しそうな薬方であることは間違いない。

 本日の写真は、昨日十日戎にて頂いてきた笹。医療機関が商売繁盛と言うのも気が引けるが、信頼のおける一薬局として沢山の方に来て頂けたらいいなとの思いを込めて。

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