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花粉症の漢方治療 その2

2023.01.18

 前回は、サラサラした鼻汁とクシャミ連発の場合に使用する薬方について紹介しましたが、今日は鼻詰まりあるいは粘稠な鼻汁を伴う症状の時に使用する薬方を紹介します。鼻詰まりは、

 粘稠な鼻汁と言うことは、部分的にせよ熱証の存在を考えなければなりません。と言うことは、やはり冷やす薬が治療の中心となります。その様な時に使用する薬方ですが、辛夷清肺湯や荊芥連翹湯などがあがります。また、冷やす薬ではありませんが以前紹介した葛根湯加川芎辛夷や柴葛湯加川芎辛夷、麗沢通気湯加辛夷などもよく用いられます。

 辛夷清肺湯は、通窮の辛夷と清熱薬・生津薬の組み合わせからなっており、元来は膿性鼻汁・頭痛・鼻閉などを呈する副鼻腔炎に用いた。この処方の肝は、生津薬の配合で、炎症が慢性化して生じた乾燥の改善を目的としている。その辺りは、麦門冬・百合・知母などでカバーしている。

 荊芥連翹湯は、温清飲ベースで枳実・白芷・川芎・桔梗と言った辺りの排膿する薬物を配合している。また、白芷は通窮作用があるので鼻の通りを良くする。しかし、本方はアトピーなどの皮膚疾患に適しているので、第一選択肢には上がりにくいのが実情で、むしろ体質改善的な使い方が面白いかもしれません。

 葛根湯加川芎辛夷と柴葛湯加川芎辛夷は、以前紹介したばかりですが、やはり通窮の辛夷と川芎の活血が肝となります。葛根湯ベースですので温める方向ですが、肩こりや頸のこわばりなどが見られれば第一選択肢に上がるでしょう。

 最後の麗沢通気湯加辛夷ですが、医療用が無いのであまり馴染みが無いと思います。処方構成としては、葛根湯加川芎辛夷に黄耆などの補気薬を加味し、白芷・羗活・独活・升麻などの解表薬を加味しています。やはりここでも、白芷や辛夷と言った通窮薬を配合してある点がポイントです。鼻詰まりや副鼻腔炎、臭覚障害に有効です。

 あとは、生活習慣に気をつける事でしょう。アルコールは、冷たくしても温かくしても確実に鼻詰まりには良くありません。ただ、アルコールゼロにしてしまうとかえってストレスになってしまうのでほどほどにしておくのが肝心です。

 本日の写真は、パスタマリナーラをスパゲッティーニにて。具材は、オリーブオイル・ニンニク・アンチョビ・トマト・唐辛子・オレガノ(←これ必須)だけなのに超がつくほど旨し!今年から、薬局のパスタ皿を変えて気分も良き!

 

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